第2章 結局、
「どーかしたの?」
「いや・・・、なんでも無ぇっスよ」
首を傾げてクスッと含んだように笑って車の鍵を開けて「どーぞ、乗って」と助手席のドアを開ける。
「ボーッとしてるけど大丈夫?」
俺が助手席に座ると運転席でシートベルトをする一二三さんは覗き込んで心配そうに見つめてる。
「別に何でも無ぇって・・・」
「そっか。」
その後、一二三さんは何も言わずに俺の家まで車を走らせる。
俺も何も話すことはないから一二三さんと目を合わせないように窓の外の景色を眺める。
そーいや、この間車乗ってた時の会話を思い出す。つかあの事を聞かねぇとな
「一二三さんってさ、」
「ん〜?」
「合コンってよく行くんスか?」
「あー、受付のウエノさんに誘われてたまに行ってる程度だよ」
ウエノさんは早く結婚したいんだってー、とケラケラ笑ってハンドルを切ると赤信号のため停車した。
「まぁ、私も楽しんでるからいーけど」
「え?」
「私中高一貫の女子校だったから男の人と話す機会ってなかなか無かったし、経験させてもらってるって感じかな」
中々良い人に巡り会えないけど。
そう呟いた一二三さんはまた車を発進させた