第2章 結局、
工業高校には筆記試験の他に実技試験もあって、鉄の塊を削ってネジを作って評価される。
実技試験は良いけど筆記試験はまぁ、なんとかなったと思う。他のバレー部員の奴らも大丈夫そうだ。黄金川は知らねーけどな。
んで、部活が終わった帰り久しぶりに【やまいし歯科医院】に足を運ぶわけで、
「二口さん久しぶりですね!」
「久しぶりッス」
自分でも胡散臭い笑顔を作って受付のカワイイ子に診察券を渡す。受付のこの人は ”ウエノ” さん
実年齢28歳って一二三さん言ってたな。
私より若く見られて調子に乗ってる面白い人って褒めてんだか貶してるんだかよくワカンねぇ事言ってたし、オンナって怖ぇー。
一二三さんも容赦無ぇなって考えてたら
「二口くん! 中へどうぞ!」
マスクを下にさげてニコッて笑ってる一二三さんに呼ばれる。めっちゃカワイイ
「よろしく一二三さん」
「今日もがんばろーね!」
診察室に案内されてユニットと呼ばれるイスに座るとエプロンをかけられた。
「じゃー、前回は上の歯の掃除したから今日は下の歯をお掃除して親知らずをどーするか決めよーね」
俺のカルテとレントゲンを見ながら説明する一二三さんの横顔を見つめてると「イス倒れるからね」とボタンを押してタオルをかけられて視界を奪われる。