第4章 序章4
秋の壊れたかんざしはチンピラの足元へ
つつつっと転がっていった
チンピラ3「何だこのゴミは」
そう言ってチンピラはかんざしを踏みつけさらみ壊そうとした
秋「やめて!」
すがりつく秋の胸ぐらを掴み
腕を振り上げるチンピラ
萩「だめ!?」
どう言う訳か他のチンピラ2人が同時にうめき声をあげて膝をついた
萩「政宗・・・」
秋は目の前の状況に唖然としている
政宗は刀をおさめながら小さく呟いた
政宗「うるさい・・・」
倒れこむチンピラは痛がっているが、血は流れてない
萩「峰打ち・・・」
店内が水を打ったように静まり返るなか
政宗は残る1人のチンピラに向き直る
政宗「・・・・・」
チンピラは震える手で刀を抜くも
相手の無言の迫力に負けたのか
闘う前にその場を逃げ出した
そして逃げる途中、
廊下に倒れていた秋に刀を振り上げた
チンピラ3「どけぇ!」
その時、入り口から入ってきた男が
秋の後ろから手をのばすと
チンピラの手を掴んだ
チンピラ3「いててて・・・・!」
手首を強く握られ、チンピラは刀を床に落とした
突然現れた男の顔をみた瞬間萩は厨房壁に身を寄せる
幸村・・・なんでここにいるの?
幸村はどうやらやっつけたチンピラになど興味はない様子
ただ真っ直ぐに政宗を見つめていた
幸村「騒がしいと思えば独眼竜が騒いでいたか」
幸村は政宗を見つけ、目が輝かせる
客「おい、独眼竜って、奥州の伊達政宗の事じゃないのか・・・?」
政宗「・・・真田が何用だ」
と、次の瞬間、幸村はチンピラを軽々と政宗に向けて投げつけた
幸村「いざ勝負!」