第3章 序章3
秋「・・・犬千代、いつもありがとう」
犬千代は秋の幼馴染で、
いつも何かと助けてくれる兄のような存在らしい
犬千代「いい加減、守ってくれる旦那を見つけろよ」
秋「それはそうだけど・・・
弟が店をまわせるようになるまでは
結婚しないって決めてるから
それに今は萩ちゃんもいるしね」
犬千代「ハイハイ」
秋「もう、言い訳だと思ってるでしょ!私は、ほんとに・・・」
途中で言葉を切った秋は犬千代の荷物がやけに多いことに気付いた
秋「・・・・・」
萩「犬千代は戦に行くの?
どれくらいで帰ってこれるの?」
犬千代「すぐ戻る」
犬千代は弥彦の頭をくしゃっと撫でて去っていった
その背中を見送っていると
弥彦が小さく呟いた
弥彦「早く犬千代兄ちゃんみたいに強くなりたいな
姉ちゃんのこと、完璧に守れるような男に・・・」
秋「弥彦にまだお礼言ってなかったね
かっこいい蹴りで姉ちゃんを助けてくれてありがとう」
弥彦「別に・・・たいしたことはしてねえよ」
萩「何言ってんのすっごくかっこよかったよ」
弥彦が恥ずかしそうに目を伏せた時
町の人の会話が耳に飛び込んでくる
町人5「今度の戦はかなり荒れるらしいぞ」
不安な顔で犬千代が去っていった方に秋は目を向けた
しかし犬千代の姿を見つけることは出来なかった
萩「大丈夫だよ」
弥彦「姉ちゃん寂しいんだろ」
弥彦はいたずらな笑みを浮かべて言った