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恋の乱~私の居場所~

第2章 序章2


お膳運びの手伝いをしていると
廊下で愛想のいい男性が声をかけてきた

家康「それは、あの部屋の料理ですか?」

ちょうど秋と一緒に奥座敷に料理を運ぼうとしていたところだった

うわ、今度は家康・・・大丈夫かなこの人性格悪いなんだよね

秋「はい。そうです!」

家康はフッとほほえむと

家康「ちょうど良かった。これ、ひとつ食べてもらえますか?」

そう言うと、家康は秋の持っている膳から
煮物をつまんで秋の口元へ持っていく

ほらね、どうせ毒見させようとしてるんでしょ・・・
これは私たちが作ったものだから大丈夫黙ってよう

秋「えっ?」

家康「はい、口開けて」

秋が口を開こうとした時
横から突然ひょっこっと男が現れ家康の腕を掴んで引き寄せ
煮物をパクリと食べた

家康「!!」

秀吉「うっ!」

家康「秀吉さん?」

秀吉「うまい!」

すぐに顔をほころばせ煮物を飲み込んだ

秀吉「あーなんだろう、懐かしい味っていうの?
家康さんも食べてみなよ!」

家康「・・・じゃ、大丈夫か」

秋「えっ!?」

家康は秋の抱える御膳から一番上の物だけを取り
奥座敷に向かって行った
戸惑いながら見送る秋に
秀吉はたしなめるように言った

秀吉「女の子なんだから毒見とかしちゃだめだよ!
ほんっとに危ない時あるんだから」

呆然とする秋の横で

萩「大丈夫だよ、この料理は私たちが作ったんだから
毒なんて入ってないの知ってる
でも、秋を助けてくれてありがとう秀吉」

秀吉「えっ!君俺のこと知ってるの?」

萩「・・・さっきの人が『秀吉』って呼んでたから」

秀吉「なるほどね、あっあんまり遅くなると怒られるから後の膳は俺が運んでおくよ」

萩と秋は秀吉にお礼を言って厨房に引き返した
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