第9章 奥州
赤い袴を身に纏い長い髪の毛は一つに括り男装をして
春日山城を朝日が昇る前に出発した
歩くこと数刻朝日がさしてきた
峠にさしかかった所にお茶屋があり立ち寄った
萩「おはようございます。お茶とお団子お願いしていいですか?」
店主「いらっしゃいませ少々お待ち下さい」
店先に腰かけて足を擦る
店主「旅ですか?」
萩「ええ、そんな所です」
店主「この先は野盗が現れる事がありますのでお気をつけ下さい」
萩「ありがとうございます」
お茶とお団子を食べお礼を述べてお茶屋を後にした
半刻ほど歩いた時に異変に気が付いた
う~ん3人かな、さっきお茶屋の店主が言ってた野盗かな・・・
野盗1「よう金目の物置いてきな」
野盗2「大人しく言うこと聞きゃ手荒なことはしねえよ」
ニヤニヤしながら距離を詰めてくる
萩「お金ですか?申し訳無いのですが手持ちのお金は先ほど使ってしまいまして持って無いのです」
野盗3「持ってねえだと!それじゃあその刀を置いていけ」
萩「この刀ですか?別にいいですがどこにでもある刀で名刀ではないですよ?」
腰に下げていた刀に触る
野盗1「ん?お前もしかして女か?」
野盗3「確かに上玉だ」
野盗2「こいつを売り飛ばせばもっと金が入るじゃねえか」
何か面倒な事になりそうね、逃げるが勝ちかな
野盗が目を離したすきに山道を駆け降りる
野盗3「おい!逃げたぞ」
野盗2「追え!?」
後ろから聞こえる声が迫ってくる
野盗1「待ちやがれ!!」
萩「売られるわけにはいきませんので待てません!」
息を切らし走る萩の前に馬に乗った男が現れた
?「何だどうしたそんなに急いで?」
萩「はぁはぁ・・・や、野盗に、お、追いかけられてて」
野盗2「何だ兄ちゃん、その女をこっちに寄越しな!」
?「ああ、最近この辺りに出没する野盗はお前たちか」
?「いたか成実」
成実「いたぞーこいつらが例の野盗みたいだ小十郎」
萩「えっ?小十郎って片倉小十郎?」
成実「おっ小十郎のこと知ってんの?」
萩「はい。以前政宗の屋敷でお世話になったことがありますので」
小十郎「何を呑気に話し込んでいる、野盗は捕まえたのか成実?」