第8章 春日山城
幸村は居なくなった私の事を怒っているかしら?
謙信「萩?どうかした?」
急に黙り込んだ萩を心配そうに覗き込む
萩「いえ何でもありませんわ
私、弟しか居なかったから愛ちゃん見たいな可愛い子に『姉上』って呼んでもらって嬉しいです」
にっこり微笑むと
愛「姉上は何が得意ですか?」
萩「そうね、裁縫に料理に・・・・・
でも一番は武術かな?子供の頃剣術の修行でよく幸村を泣かせていたの」
クスクス笑っていると、剣術と言う言葉に景家が食いついた
景家「強いの?」
萩「えっ!う~ん、どうでしょう?
この間久しぶりに幸村と勝負したら負けちゃいましたし」
景家「ふーん・・・今度手合わせしくれる?」
ジッと景家達を見つめる
幸村と同じ位?今は緩い感じだけど力押しする感じかしら?よく判らないわね
景家「なに?だめなの?」
萩「景家様の剣術は力で押しきる
景継様は速度重視で手数で勝負する感じですよね?
あっ与七様は普通に強いかな?」
与七「ふ、普通・・・・・」
ガクッと項垂れる与七、目を見開き驚く兼続
兼続「・・・・・凄いですね。多少違う所もありますが確かにそんな感じです」
謙信「景家と手合わせしてみるかい萩?」
萩「よろしいのですか?では、是非お願いいたします」
景家「じゃあ道場にいこう」
いそいそと立ち上がり与七、景継を連れて道場へと急ぐ
その後ろを謙信、兼続と歩き出す
木刀を持ち振り返る景家
景家「その格好で試合するの?」
打掛を脱ぎ着物の裾を帯に挟み込み白い足を露わにしにっこり微笑む
萩「お待たせ致しました」
与七「ええっ!!」
景継「・・それでするの?」
謙信「白い脚・・・美しいね」
兼続「・・・・・はぁ」
景家「俺は何でもいいけど・・・怪我しても知らないよ?」
萩「当たらない様に気を付けますね」
木刀を持ち軽く振ってから景家と対峙する
正面からぶつかり合いは不利ね
さぁどうしましょうか?