• テキストサイズ

恋の乱~私の居場所~

第8章 春日山城


謙信に連れられ萩は越後へやってきた

萩「謙信様、私は一人で歩けますよ?」

皆がチラチラと此方を窺っている
それもその筈、謙信は男装した萩をずっと横抱きに抱きかかえたまま帰ってきた

謙信「私が萩を離したくないんだよ」

兼続「はぁ・・・萩様申し訳ありませんが諦めて下さい」

萩「私は構いませんが重くないですか?」

謙信「萩は羽のように軽いよ
あっ、兼続ちょっと寄り道してもいいかな?」

そう言うと列を離れ一軒の店に入っていく

謙信「やあこんにちは、急ぎ女性用の着物を城に届けてくれるかい?」

店主「はい。かしこまりました」

一言だけ告げ列に戻り歩き始める

萩「誰かへの贈り物ですか?」

そう尋ねるとニコニコ微笑み、秘密と囁かれた

後ろで二人の様子を見ていた景家

景家「なあ景継、謙信さまって男色だっけ?」

景継「違うと思う」

景家「だよな」

不思議そうに首を傾げる
春日山城へ到着すると一人の男性が出迎える

?「お帰りなさい兄者」

兼続「ただいま与七」

与七「謙信様、どなたですか?」

抱き抱えられた萩に見る

謙信「可愛いだろう、私の天使だよ」

与七「はい。とても可愛い娘ですね」

謙信「広間に皆を集めてくれるかい?」

与七「はい。了解しました」

パタパタと走り去る与七を見送り謙信は萩を連れて自室へ向かう
カラッと襖を開くと美しい着物が目に入った

萩「綺麗な着物ですね、どなたのですか?」

謙信「これは君のだよ」

萩「えっ?でも此処は女人禁制なのでは」

謙信「準備が出来たら広間においで」

にっこり微笑み襖を閉めて去って行った
萩は言われた通り袴を脱ぎ着物に着替える
束ねていた長い黒髪をおろし整え部屋にあった姿見で確認する
青色の打掛には白、黄色、紫の花と毬の刺繍がされていた

着替え終た萩は謙信に言われたとおりに広間へと向かった
広間の襖の前で声をかける

萩「謙信様、準備が出来ました」

謙信「入っておいで」

萩「はい。失礼致します」

/ 32ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp