第10章 エドガー・アラン・ポオからの乱歩への挑戦状
~江戸川乱歩~side
敦くんが何か云いかけた。何かっていうのは判っている。
僕が………だってこと
まっ、今はこっちに集中しようか……
「取り合えず、周りに居る人たちは一旦離れて、其れと此の人の衣服とか持ち物に触れた人は居ないよね。」
周りの人が誰も触って無いことを確認し、御倉に声をかけた。
「ねぇ、御倉軍手とか持ってない?毒は強くないと思うから軍手だったら大丈夫なんだけど。其れと周りに怪しい人がいたら捕まえるか。そこに居る谷崎か敦に伝えて。」
『あっ、はい、軍手ですね?どうぞ。』
江「ありがと。」
『いえ。』
「その人は、設計者代表の方ではありませんか!若しかして死んでしまわれたのですか?!」
先ほど、ステージで見た団長が話しかけてきた。
『貴方は?』
御倉は尋ねた。
「あっ、之は失礼ですね。私は此のサーカス団の団長をしているルイです。」
『で、此の人が設計者と云うのが、何故此処に居るのです?』
御倉が尋ねるとサーカス団の団長は暗い顔になり、こう云った。
「実は、此のサーカス団は之が最後だったんです……。此処の土地は買い取られることに為る……設計者は多分この土地で建物を作るために来ただけで、偶々見物に来ただけかと。」
『其れは……すいません……』
聴いてはいけなかったと御倉はそう思ったのか謝った。
「いえ、貴女が謝ることでは無いですし、もう決まっていた事ではありましたから……」
手をぶんぶんと降って団長は否定した。
と、同時に事態は一変した。
「あの~、話の途中ですいません。何やら怪しい人物を見たのですが誰か教えますので着いてきてください!」
一人の男が来て、其れを云い終えると谷崎は、分かりましたと云って僕をチラリと見た。
僕はコクッと頷いた。其れを見た谷崎も頷き、男に着いていった。