第9章 両親の想い
少年は私を濡れた瞳で見てから俯いてポツリポツリと話した。
「ヒック、あのね、僕いらない存在だって云われたの……ヒック……でね、泣くなどお前に必要なのかって……僕はいらない存在なの?」
『ッ……、そんなことないよ……必要のない人間なんて存在しない……君名前は何て云うの?』
「えっと……僕は中島敦って云うの。」
私の目を見て答えた少年に私はこう返した……
『そう、私は御倉優奈。敦くん…若し納得出来ないなら自分の生きる理由を探しなさい……って云うことしかできない。』
「生きる理由……」
『うん、敦くん私の事は優奈って呼んで。其れで是から皆で鬼ごっこするんだけど一緒に遊ぼうよ。敦くん」
「……うん!優奈、ありがとう」
涙をゴシゴシと拭って笑って見せた敦くん可愛かったなぁ。
あの時は未だ敬語じゃなかった。
そうして私は彼……敦くんが夜満月の日に、虎に変身するのを知った。
不思議と怖くはなかった、同じように能力を持って居たからなのかもしれない。私は漸く孤児院の人…大人が彼を嫌ったのかが分かった。
私がそれを判っても冷たくせず彼の悩みを聞き何時も通りに接し、虎になったときは私が孤児院の人に見つからず能力で気絶させ戻した。
私が十八の時で敦くんは十六歳の時だったか。
「あの、優奈さん……」
『どうしたの~。敦くん?」
「優奈さんは何故、此処に来たんですか?」
『私?う~ん、親が居ないからかな……』
私はこの時真実を、両親が何故死ななくちゃいけなかったのか、犯人は誰かを探し始めた……。
真実は残酷なものだった……
織田作之助という人が犯人で両親はポートマフィアの情報を調べ上げ知ってしまったから、ポートマフィアが其れを知って殺したという事。
そして2年前、織田作之助は既に死んだということだった……。
私は、孤児院に居た。両親の約束は守っている。
で、今に至るわけだが……。