第3章 3:さにわのむかしばなし
でもさ、頑張るって言っても、限度があったんだよね。
そのうち、心身を病む審神者が出始めてさ。
本丸にこもりっぱなしって言っても、戦争だよ?
しかも、自分の代わりに戦う武器は人間の姿をしてるときた。
いきなり血まみれで戦う連中の面倒見させられて、
そいつらは自分を守るために戦ってる。
元の主を、見殺しにしてまで、だ。
……ニンゲンぽい生き物にひどいことさせてる自責の念とか、
殺されたりするかもしれない恐怖、負けられないプレッシャーと、
あと、そうね。
本丸で審神者しか怪我を治せない、っていうのも原因かな。
男士の生殺与奪は審神者の自由でしょ。
だから、本丸に閉じこもりっきりで、
ずーっとストレスから逃げられなくて、
頭がおかしくなった結果、自分がこの本丸の王様なんだ!
って思いこむ審神者とかも出てきちゃってね。
審神者が男士を使ってストレスを発散する本丸がちょいちょい出始めて、
ご存知の通り、今で言うブラック本丸が発生したってわけだ。