第3章 3:さにわのむかしばなし
うーんと、話すとほんとに長くなりそうだな。
まずは……そうだね、ブラック本丸の話から始めようか。
数年前に時間遡行軍が出てきて始まったこの戦争だけど、
観測された敵の数がめちゃくちゃ多くてさ。
当時は八億ン千万、とかだったかなぁ。
敵方は未来から兵を投入してるらしくてね。
結局、政府は後手に回っちゃったんだけども、
とりあえず相手の数が多すぎるから、
いそいで今の組織の形だけ整えて、審神者になれる霊力の持ち主を片っ端から集めたのね?
老いも若きも性別も、育ちも特に関係なし、って感じで。
で、今までこの国はずいぶん平和だったでしょう。
それが、いきなり「戦争頑張って!」って本丸にぶち込まれたわけ。
訓練もしてない一般人がだよ?
右も左もわかんないし、政府も慎重に動くから情報の回りは遅いし。
初期の初期はそんな感じで、
完全に手探りの中、審神者同士で声かけながら戦ってたわけ。