第3章 3:さにわのむかしばなし
時期的には、検非違使が出てきたあたりから目立つようになったのかな。
いきなり第三勢力に介入されて、バラバラの練度で出陣させてた隊とか、結構ボロボロにされたみたいだし。
でも、審神者がおかしくなっても、本丸って基本的に外との出入りが少ないでしょ?
気づく人がそうそういなくてね、発覚までには結構時間がかかったの。
男士は「おかしい」って気づいても、外に助けを求められないし、審神者が身の安全に直結する特権を持ってるから、うかつに殺せなかったからね。
でも、ある本丸の男士が、端末を介して外に助けを求める事例があって、そこから政府の調査が入ることになった。
審神者のメンタルとストレスチェックをばばーっとやったんだ。詳しいことはむっちゃんとみかちーに聞いてみるといいよ。覚えてると思うから。
で、結果的に、問題が発覚した審神者は、相当な人数が辞めてったんだ。記憶は消されたり誤魔化されてると思うけど。
んー、辞めてった審神者? なんて言えばいいのかな。
男士を戦わせて、上に立って、本丸を運営する才能がなかった、というか……
将の器じゃなかった、ってやつ?
向いてなかったんだよ。適性がなかった。しかたないね。
平和な時代の普通の人達は、基本そうなるでしょう。
いいんじゃない、無理なら無理で。
無能な味方には、横でうろうろされるより、おうちでおネンネしててもらったほうが、こっちも助かるからね。