第6章 6:つうほうのはなし
槍である蜻蛉切も、刀装での守備を抜けてくる。
それはそれで厄介だが、被害に遭うのは一口だ。
「こいつらは、できるだけ早めに潰したいところだな」
「ふむ」
当たると痛いもんねー、と主は伸びをした。
そして、端末の刀装欄をぽんぽんと埋めていく。
「おい、その装備でいいのか」
「間違ってないよ。
ほたるんは演練の悪魔って言われてるくらいだし、
早めに潰したいのもわかるし…」
そのままオーダーを決定すると、
確定情報として受付に送ってしまった。
これで、自分の本丸からは該当の男士と装備が呼び出される。
さて受付まで迎えに行きますか、と立ち上がる主の背を追いながら、俺はひとつ疑問を投げかけた。
「相手は本丸に慣れていないようだが」
「あの新しい審神者さん?」
「そうだ」
既に成人しているであろう引き継ぎ審神者は、
あまり戦場の様子を直視したがっていないようだった。