第2章 オムライス
タマネギを荒みじん切りにし、バターで炒める。そこに細かく切った鶏胸肉、ミックスベジタブルと、コンソメや塩コショウなどで味付けをする。
横を見るとさくらが、白飯の入ったボウルを両手に持って立っていた。
「はい、ご飯」
「サンキュっす」
炒めて混ぜ合わせ、最後にケチャップを加えて中身のチキンライスは完成した。
「すごーい……手際いいじゃん」
「いや、まあ、はは……」
褒められて、悪い気はしない。
いや、これはおだてて今後も作らせようという魂胆かもしれない。……別にさくらになら、いつでも作ってもいいのだけど。
チキンライスを皿に盛り付け、洗ったフライパンに再度油を熱する。牛乳を混ぜた卵液を流し込み、二、三度箸で混ぜた後火を消し余熱で火を通す。
盛り付けたチキンライスに乗せて、完成。
「すっごい……完璧じゃん」
さくらは目を丸くして、先に完成したオムライスを覗きこんでいる。
「あんま、褒めないでくださいよ……」
「何で?感動してるんだけど。私こんなに綺麗に卵焼けないもん」
「練習すれば誰でもできますよ」
練習したんだ……とさくらがポツリとつぶやく。
二枚目の卵も焼き上がり、金色のオムライスが二個完成した。
「さ、食べますか」
「うん!あ、ケチャップ貸して。城戸ちゃんの方のオムライスに絵を描いてあげる」
こういうところが、かわいいんだよなあ。
思わず城戸の頬がゆるんだ。