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キミとボク【気象系BL】

第103章 LOVE LOVE LOVE


(Oサイド)

3時間目終了のチャイムが鳴った。

俺はスクールバッグから秘策の品を取り出して、上着のポケットにしのばせた。

とにかく、しょーくんと教室を出よう。

俺は周りの様子を確認しつつ、しょーくんを連れ出すタイミングを図っていた。

そんな時。

男子に呼び出しの声がかかった。

教室内は冷やかす声で盛り上がっている。

でもその呼び出されたヤツが“櫻井翔”でも“大野智”でもなかったことにホッとした。

イヤイヤ、まだ油断できないな。

それがきっかけで、誰かが先陣をきったことがきっかけで、次から次に…ってこともある。

ちょっと焦りはじめると

「智くんっ、智くんっ」

俺が声をかけるより先に、しょーくんの声がした。

今度こそ、しょーくんに呼ばれたよね。

空耳じゃないよね。

そしたら

「寝癖直しに行こっ」

立ち上がったしょーくんが俺のそばに来て、ガシッと手首をつかんだ。

勢いのままに引っ張られ、椅子から立ち上がる。

そして手を引かれたまま、みんなの間をすり抜けて、足早に教室から脱出した。

スタタタタタタッ…。

“廊下は走ってはいけません!”

って注意されそう。

だけど、半ば強引に連れ出されてるこの状況が何とも嬉しいというか、なんというか。

理由が寝癖を直すことだろうが何だろうが、もうかまわない。

つかまれてる手首から全身に、熱が走っていく。

そして。

颯爽としょーくんに連れ出された先は、男子トイレだった。








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