第103章 LOVE LOVE LOVE
どうして俺の制服をつまんでるのかな?って聞きたかった。
だけど
「何でもないからっ」
って語尾が強めになってるしょーくんの慌てっぷりが、何とも言えない可愛さ満載で。
顔もボンッて音をたてたように真っ赤っかになってたし。
授業中だから、先生には悪いけど…
今、こんな可愛らしいしょーくんを見れてるのは、後ろを向いている俺だけだと思うと、ちょっと優越感があって。
自分でも、蕩けた表情でしょーくんのことを見つめてるんだろうなぁってわかる。
まるで、あまーいチョコレートを食べてるような感じ。
そうだ。
今日は何だかお疲れモードのしょーくんにも、後で糖分を与えてあげよう。
教室には、黒板とチョークが擦れる音が響く。
筆圧が強いんだよな、この先生。
だけどしょーくんはその音で我に返ったようで
「ノートとらなきゃ」
って。
カリカリ…カチカチッ…
暫くすると、俺の大好きな音が聞こえてきたからホッとした。
ふと教室の時計を見てみると、午前11時26分を示していた。
もうすぐ3時間目が終わる。
授業と授業の間には10分間の休みがある。
ノートは後でしょーくんに見せてもらうことにして…
俺はその10分間、しょーくんに誰も近づかせないようにどう潜り抜けていくかを考えることにした。