第103章 LOVE LOVE LOVE
暫くすると、背中にチョンと何か触れる感覚があった。
それはすぐに離れていくわけではなくて、制服のほんの一部が若干引っ張られたままになっている。
しょーくんかな?
…っていうか、位置的にもしょーくんだと思う。
“智くん”って声はしなかったけど“ねぇ、ねぇ”って呼ばれてるような気になってくる。
本当にさ、どうしちゃたんだよ、しょーくん。
心配ではあるけど…
それよりもね、俺…ちょっとドキドキしてきたんだけど。
「ん?何?」
考え事をしているであろうしょーくんに悪いかなって思って、にやけそうになるのをごまかしつつ振り向いてみた。
そしたら、バッチリ目が合って。
しょーくんもビックリした顔してる。
可愛い。
うん、可愛い。
…そうじゃなくて!
俺が振り向く前から、しょーくんは俺を見てたってことだよね。
「よ、呼んでないけどっ」
ってアワアワしてる。
確かに声に出して呼ばれてはないけどさ…
“背中”ってフレーズを言ったら、もっとビックリしてた。
俺もね、背中に感覚はあったし、引っ張られてる感じもしてたけど…
しょーくんが俺の制服を指でつまんでるの。
それを見たらさ。
実際にね、
そんなの見ちゃったらさ。
胸がもっと、きゅーんとしてきたんだ。