第103章 LOVE LOVE LOVE
(Oサイド)
俺の後ろの席。
しょーくん。
顔よし、頭よし、性格よし。
カッコ可愛いくて、男女を問わずモテる。
そのことに本人が気づいてないのが不思議。
…きっと俺の想いも、だよね。
今日2月14日はバレンタインデー。
しょーくんは登校時は毎日、職場が学校の近くにあるお父さんと一緒に電車に乗ってくる。
さすがにその時は、チョコは渡されなかったみたいだけど…
昼休みとか下校時が、心配でならない。
しょーくん、押しに弱そうだし。
だから俺は昨日の夜、秘策をたてたんだ。
授業中、何だかしょーくんの様子がいつもと違う気がした。
俺、しょーくんがノートをとってる時の音が好きなの。
カリカリ、カリカリ…って書いてたり、カチカチッてペンの色を変えてたり。
しょーくんから聞こえるその音は、耳障りじゃないんだよなぁ。
それは、俺がしょーくんに特別な感情を抱いているから。
だけど…
いつもならノートをとる音がするのに、今日はその音がしない。
その代わり、聞こえてくるのはため息だった。
珍しく授業に集中できてないみたいで。
調子でも悪いのかなって思って聞いてみたけど、そうではないらしい。
ため息を何度もつくような考えごとって何だろう。
授業中だけど、俺の頭の中はしょーくんのことでいっぱいだった。