第99章 Bittersweet
んっ…
おお、の…さん…。
柔らかな雰囲気の大野さんからは想像していなかった、熱~いキス。
唇は少しも離れることはなくて、お互いの息継ぎがハァハァと聞こえている。
俺の舌は大野さんの舌にすぐ捕まり、ねっとりと絡められていく。
顎クイしていたはずの大野さんの手は、いつの間にか俺の後頭部に回っていた。
大野さん…
あなた、意外と激しいんですね。
「大丈夫か?」
「…はい」
返事はしたものの、俺は頭も体もポーッと火照っていた。
「ごめんな」
「えっ?」
「嬉しくて、がっついたかもしれない」
襟足をかきながら恥ずかしそうに話す大野さんは、いつものように可愛らしくて。
「俺は…どんな大野さんでも大好きです」
優しい大野さんも…。
はしゃぐ大野さんも…。
がっつく大野さんも…。
俺のことを好きだと言ってくれた大野さん。
その大野さんの唇は、俺とのキスで濡れている。
大野さんのキス、すごかった…。
今日の色んな大野さんの姿や言葉を思い出すと、俺はにやけそうになった。