第98章 夢日和
「俺…ジャニーさんに言われなかったとしても、智くんのこと見つけてたし」
「うん、知ってる」
おいらは翔くんを抱き止めて、太腿に跨がらせた。
クタッとしているお互いの中心。
翔くんのがおいらのソレに重なる。
「ふふっ。知ってるってさ、どういうこと?」
ほら。
翔くん、嬉しそうにしてんじゃん。
「おいらだって、翔くんのこと見てたから」
初めて翔くんがレッスン場に入ってきた時から…
気づけばおいらは、その小柄な男の子のことを目で追っていた。
「…改めて言われると、恥ずかしいんですけど」
翔くんがおいらの頬にキスをする。
いつも堂々としているように見えるけど、照れ屋な翔くんは初めてあった頃から変わらない。
「んふふ。素直だねぇ」
「うん、そうだよ。あなただってそうでしょ」
年齢を重ねた分だけ、色々感じることも多くなってきて。
カメラ越しに無邪気に笑ってるだけじゃなくて…
諦めずに頑張れたこと。
15周年の時に、人目を憚らずに泣けたこと。
それに…
翔くんがいてくれてさ。
おいらがどれだけ安心しているか。