第96章 ワインレッド~season~
翔くんがコクリコクリと船を漕ぎはじめたのを視界にとらえながら、おいらはマグカップの中の赤ワインの香りと味を体に取り込む。
マグカップの中で揺れるワインレッド。
それを眺めると、気持ちが昂っていくのを自分でも感じる。
「さとしくぅん…ねむい…」
「んふふ。少し寝てから帰りな」
「はいっ。ありがとうでありましゅ」
翔くんは敬礼のポーズをしてからすぐ、ラグの上に横になった。
目を開けるのもやっとだっただろうに。
ちゃんと伝えてから横になるのが健気なんだよなぁ。
「翔…」
赤ワインのことを知ってから、おいらは眠っている翔くんに対してかなり大胆なことをするようになった。
服の上からではなく、肌には直接手を這わせ、胸の粒も舌で転がしてみたり。
上半身のあらゆるところにキスをして。
それから…
スエットのズボンをゆっくり脱がせた後、下着の上から翔くんの中心をハムハムする。
柔らかかったそこが形を変えていく様は、ワクワクが止まらない。
「窮屈だろ?いま開放してやるからな」
おいらは下着のゴムの部分を口で挟み、少しずつ下ろす。
「ほら。今日も元気だね」
天を向いている中心を口に含んで舌で刺激する。
「んっ、あっ…」
翔くんの口から漏れる吐息が、たまらなく好きだ。
「ちょっと後ろ向こうね」
翔くんの体をうつ伏せにする。
背中にもキスを落としていき、張りのあるお尻をひと撫でしてから腰を高く持ち上げた。
目の前に見える小さな蕾。
「いつか、おいらを受け入れてくれる?」
そう願いを込めながら、ベッドに隠していたローションを手に取って、蕾に指を這わせた。