第96章 ワインレッド~season~
ホント、綺麗な顔してるよな…。
白い肌に長い睫毛。
ぷっくりした赤い唇は、少しだけ開いている。
目の前にある翔くんの唇…。
あの時のキスを思い出し、顔が熱くなっていく。
すぐにでもキスしたい衝動にかられるけど、色々確認するまでは我慢しないと。
今日を含めて少なくとも後3回、いや4回は試してみないといけないんだ。
お預けの状況に、おいらは口の中にたまった生唾をゴクリと飲み込んだ。
音をたてないようにしながら、おいらも翔くんの隣に横になる。
右手を伸ばし、仰向けで眠っている翔くんのワイシャツの上からそっと胸に触れてみた。
スラッとしてるから華奢に見えてたけど…
おいらの手のひらには、意外と厚い胸板の感触があった。
呼吸するたびに上下する翔くんの胸の動きと体温がじんわりと伝わってきて…
ドクドクドクドクと、おいらの胸が騒ぎはじめた。
滑らすように手をずらすと、指先に小さな粒が触れた。
あっ、これ…。
翔くんは身動き1つしていないけど、おいらの下半身は熱を持ち始めた。
くるくると円を描くようにして胸の粒に刺激を与えてみたら、粒は徐々に硬くなっていった。
触れられていないおいらだって、下半身がすでに窮屈になっているんだ。
…翔くんのはどうだろう。
ちょっと気になって、おいらは翔くんの体の真ん中に視線を向けてみた。
スラックス越しだけど、翔くんのそこも少し盛り上がっているのがわかる。
んふふ、可愛い。
眠っていても体は反応してくれてるんだと思うと、嬉しくなった。
翔くんのベルトを外すのは大変そうだし…
今度からスエットでも用意しておこう、なんて考えが頭をよぎる。
胸の粒を指先でゆっくりムニュッと押してみると
「んっ…」
眠りながら声を出す翔くんの眉間にシワが寄った。
んふふ、感じたの?
その表情がまた見たくなって、おいらは胸の粒への刺激を続けた。
「ん、ん~っ」
翔くんの瞼が開いていく。
おいらは咄嗟に目を瞑り、翔くんの胸に手を置いたまま寝た振りをした。