第96章 ワインレッド~season~
トイレから戻ると、翔くんは大の字になって眠っていた。
あはは、翔くんってば。
「もう、無防備すぎ…」
むにゃむにゃと口を動かす寝顔にもクスッとしてしまう。
しばらく寝顔を見ていると、翔くんが寝ながらお腹を捲り始めた。
少しずつ見えてくる肌。
どこまで捲るんだろうとハラハラドキドキしていると、おへそが見え隠れする辺りで手が止まった。
白くて綺麗な肌にくぎづけになる。
おいらは翔くんのおへその上や、その下にも興味があって。
もう、心臓がもたないよ。
おいらは再び、翔くんの横に寝そべった。
寝息をたてているその顔を見つめる。
安心してくれてるのは嬉しいけど、ちょっとは警戒してくれないと…
おいらは意識されてないんだな、そういう目でみてもらえてないんだなって実感しちゃうじゃんか。
「ね、翔くん…」
翔くんにとっては友達にしか思ってないんだろうけど、おいらは違うよ?
いつだって翔くんをひとり占めしたいって思ってる。
おいらはそっと手を伸ばし、翔くんの髪を優しく鋤いた。
愛しくて。
愛しくて。
愛しくて。
すると、眠ったままの翔くんがおいらの手に頭をすり寄せてきた。
気持ち良さそうにニヘッと笑ってる。
「翔くん…」
思いが一気に溢れたおいらは、翔くんの赤い唇に自分のそれを重ねた。