第94章 愛と勇気とサクランボ
Sサイド
4月に入ったら、僕は大学生活が始まる。
期待と不安で心が落ち着かない。
そんな時は必ず、先生のことが頭に浮かんでいた。
「会いたいなぁ。でも先生はまだ学校…」
忙しいであろう先生のことを思うと、なかなか連絡できずにいた。
そうして幾日か過ぎていき、高校も春休みに入った。
僕は早速先生に連絡し、デッサンの続きを口実に会う約束をすることができた。
やっと先生に会える…3日後が待ち遠しかった。
先生の家からは桜がよく見え、可愛らしい薄ピンクに心が和んだ。
「準備できたら声かけて」
そう言って先生は僕に背を向けながら、画材を用意していく。
この日をずっと待っていた僕は、迷うことなく衣類を全て脱いで生まれたままの姿になった。
先生の部屋のベッドに横たわり、局部が隠れる程度にシーツをかける。
自分の部屋のベッドでもこんな姿になったことなくて、ちょっぴり恥ずかしい。
僕の姿を見た先生が、ちょっとだけ触ってみてもいいかと聞いてきた。
遠慮がちに言われて、先生も緊張しているんだと感じた。
ぎこちなく、でも優しく僕の体に触れていく先生の手。
「あっ…」
何だかくすぐったい気持ちになって、思わず声が出てしまった。
「翔くん、可愛い」
ふんわりと笑うけど…手の動きとのギャップがある気がした。
人の体を触ることに慣れていないのかも…
でもそれならそれで、僕にとってはそのほうが嬉しい。
好きな人に触れられて、中心が反応しないわけはなくて…
「あっ、翔くん…」
シーツの上からでもわかるソレに、先生にも早々と気づかれてしまった。
僕も、先生の体を見たいし、触れてみたい。
「ねぇ、先生。僕も…」
僕は先生の服の裾から手を入れてみた。
「ちょっ、翔…くんっ」
先生の慌てっぷりが可愛いくて、愛しさでいっぱいになった。
「先生…じゃれあいっこしませんか?」
「ん~っ。んふふ、そうしよっか」
程よく筋肉がついてる先生の体は、肌も綺麗で。
どこをどう触ったら気持ちいいかなんてわからないけど…
重なる体から伝わる体温や重みを感じる度に、胸がキュンとなった。