• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第93章 またこの場所で


Oサイド

「こんな所に…」

そう呟いたじいちゃんが、掘り出したものを手に取る。

ちょうど手のひらと同じくらいの大きさのもの。

それを数秒眺めた後、付いている土を手で優しく払い始めた。

徐々に見えてきたそれは、さっき行方がわからないと話していたプレートのもう半分だった。

じいちゃんが手袋を外し、描かれているひまわりの部分をゆっくり指でなぞっていく。

とっても愛しそうに、優しい瞳で。

俺はその光景を息をのんで見ていた。



どうしてじっちゃんがそれを持っていて、土の中に埋めたのかはもう聞けないけど…

「んふふ。見つけたよ」

じいちゃんがすごく嬉しそうだから…

きっと、じっちゃんも喜んでるんじゃないかなって思う。

「良かったね。智くん、良かったね」

ホッとしたのか、繋いでいた手を離した翔くんがぎゅっと俺に抱きついた。

「ちょっ、しょ、く」

翔くんの肩越しに、ポカンとしてるじいちゃんが見える。

「んふふ。好きなだけしてていいよ」

じいちゃんがクスクスしながらそう言い、掘り出したプレートを手に縁側に戻っていく。

「ほ、ほら。じいちゃんがあっちに行っちゃったよ」

「…あっ」

漸く気づいた翔くんは、顔を真っ赤にしていた。



2人して照れながら縁側の手前まで行くと、じいちゃんがプレートを並べていた。

そして、

「おいらたちが楽しそうにしてたから、焼きもち妬いちゃった?」

ってプレートに話しかけてるのが聞こえた。



何だかそこに、じっちゃんの姿が見えた気がした。






/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp