第90章 My Angel
二人でシャワーを浴び、櫻井さんのナカに放った白濁も洗い流した。
僕の肩と腕には、小さな傷が幾つかできていた。
「ごめんな」
「いえ…。これは僕と櫻井さんが通じあった勲章ですから」
「そっか。じゃあ、労わないとね」
櫻井さんが傷の1つ1つに目を閉じながら口づけていく。
その姿はとても綺麗で…
思わずその場に押し倒したくなったけど何とかこらえた。
僕の布団はちょっと濡れてしまっているから、下着だけ履いた僕たちは、櫻井さんの布団に二人で横になった。
「体…大丈夫ですか?」
隣にいる櫻井さんに顔だけ向けて声をかけた。
「もうっ。大丈夫だよって言ってるのに…」
櫻井さんの手が伸びてきて、僕を引き寄せる。
そして僕のことを抱きしめると、おでこにちゅっとキスをした。
櫻井さんを見ると、優しく微笑んでいて。
何だか擽ったい気持ちになった僕は、櫻井さんの胸に顔を埋めた。
「あったかい…」
温もりに包まれ、何だか眠たくなってきた。
「ん?大野、眠い?」
すごいな、櫻井さん。
僕の顔は見えていないはずなのに、どうしてわかるんだろう。
櫻井さんの手が僕の背中をトン…トン…とする。
僕の瞼が閉じてくる。
何度かそれを開けようと頑張ってみたけど…
「さくらっい…さ、ん…」
そこで僕の記憶は途絶えた。