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キミとボク【気象系BL】

第90章 My Angel



僕は咄嗟に手で涙を拭いた。

「良かった…笑ってくれて」

櫻井さんの声が随分と嬉しそうだ。

自分でも顔がにやけてるのは十分わかってる。

そんな僕を斜め下から見ているあなたも…

「櫻井さんだって、にやけてるし…」

「うん。こんなに可愛い反応されて、嬉しくならない筈がないでしょ」

そうして…

櫻井さんの顔が息がかかるくらいの距離まで近づいてきて…

僕の唇に視線を向ける目が閉じてきて…

「んっ…」

櫻井さんの唇が僕の唇に触れた。




ちゅっ。

ちゅっ。

はじめこそ目を閉じていた櫻井さんだったけど、啄むようなキスをする度に僕の目を見ていて。

このキス…すごく照れるんですけど。

「あの…イチイチ目を見られると…」

「大野が目、閉じてないから…」

「それ、関係あります?」

「うん、あるよ。大野の目、綺麗だから…開いてたら見たくなる」

「えっ」

顔がカァッと熱くなる。

「ふふっ。本当に綺麗だから…」

櫻井さんの目ほうが綺麗なのに。

そう思いながら櫻井さんを見ると、その瞳には僕がうつっていた。



ドクンドクンと胸が跳ねる。

「こ、ここ、玄関なんで…中に…」

僕の言葉に櫻井さんがコクンと頷く。

そそくさとサンダルを脱いだ僕は、下に置いてあった櫻井さんのビジネスバッグを手に取り胸に抱えた。

「靴、脱いだよ」

「じゃあ、行きましょうか」

僕が出した右手を櫻井さんがぎゅっと握る。

チラッと目が合い、お互い照れ笑いした。

繋いだ手から緊張が伝わる。

櫻井さんの顔も真っ赤になっていた。






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