第85章 のぼせ注意報
「あっ…」
「ん?」
「いや、なんでもない…」
櫻井が俺の背中を洗いはじめた今も、チョンチョンと触れているモノ。
やっぱり櫻井のアレ、だよな。
まさか本人が気づいてないわけないと思うし…。
言った方がいいのか?言わないほうがいいのか?
フニャッと柔らかかった感触がゴリッて固くなってきてるだけに、何だか言いづらい。
タオルで隠してはいるけど、俺のアレも同じようにムクッとしてきてるし…どうしよう。
「大野くん…」
「ん?」
「ごめんね。あたってるでしょ…俺の…」
「えっ。あ、うん…。あ、前のほうは自分で洗えるから…」
体を洗っていると、櫻井が俺の髪に顔を埋めたのを感じた。
「大野くん…」
小さく呟くような声に心がざわつく。
俺の体はドクンドクンと疼き、中心に熱が集まってくる。
グンッと質量が増した時、櫻井のがチョンと腰にあたって…
俺の中で何かが弾けた。
クルッと向きを変えた俺は、泡がついたまま櫻井の体を抱き寄せた。
「おお、の…くん」
さらにギュウッと抱きしめると、櫻井の手が遠慮がちに俺の背中にまわってきた。
腰に巻いていたタオルが自然と外れ、俺の中心も露になる。
「大野くん、体…冷えちゃうよ」
「大丈夫。櫻井の体があったかいから」
「………ばか」
櫻井の甘い声が俺の胸をくすぐった。