第14章 only love
コンコン…
俺は青色のドアを軽くノックした。
「…しょぉくん?」
いかにも眠そうな舌っ足らずな声。
でも、本当は違うでしょ。
目の奥に潜む鋭い眼差し…警戒してるの隠せてないよ。
「なにか、あったの?」
「うん、そう。だから一緒にいてくれない?。」
「…わかった。いいよ。」
智くんは俺を部屋に入れてくれた…カギはかけなくていいからねって言葉とともに。
「智くん、眠ってたんでしょ。ベッドに入ってていいから。」
「うん…そうしよっかな。」
ポスン…と音を立てて身体を沈めるあなた。
俺はそのベッドの足元に腰を下ろした。
「しょぉくんは明日は早いの?」
「昼から。」
「そっか…。」
「智くんは休みでしょ。」
「うん、そう。…みんな遅いね。」
「それぞれ予定があって、今夜は帰ってこないよ。」
「えっ…?」
「知らなかったの?」
「う…ん。」
「だから今夜は智くんと俺の二人きりだから。」
瞳を揺らして気まづそうにしているあなた。
次に二人きりになれるチャンスはいつくるかわからない。
だから今日と決めたんだ。