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キミとボク【気象系BL】

第77章 耳をすませば



「ここ…教室…」

「いいから…」

ちゅっ。

重なった櫻井の唇は微かに震えていた。

軽く触れただけのキス。

唇を離しても櫻井の柔らかい唇の感触が残っていて、じわっと胸が熱くなった。



「大野くん…」

「ん…?」

「あの時“キス”って言ったの?」

「えっ?」

「2文字だったし、今キスされたし…」

櫻井は真っ赤な顔をしながらも真剣に聞いてくる。

間違えてるけど…可愛い…超可愛い…。

「“すき”」

「えっ?」

「“すき”って言ったんだよ」

「あ、あ、そうか…“キス”じゃなくて“すき”かぁ…」

「うん」

「あぁもう、恥ずかしい…」

櫻井は両手で顔を隠してしまった。

「櫻井、大丈夫だから顔を見せて?」

顔を隠したまま首を横に振る櫻井の頬を両手で包んだ。

「こうして一緒に学校で過ごせるの、後少ししかないよ?」

肩をビクッとさせた櫻井が、顔を覆っていた手を離していく。

少しずつ見え始めた櫻井の綺麗な顔に見とれていると、櫻井の手が俺の頬を包んだ。

「櫻井?」

「大野くん…好き、だよ」

ちゅっ。

櫻井からの可愛らしい告白とキスに、今度は俺が照れまくってしまった。

「そ、そろそろ皆が来るね」

そう言って、櫻井は窓側の自分の席に戻っていった。






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