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キミとボク【気象系BL】

第75章 One Step



あれから2週間ほど経ったある日。

大学から帰宅すると、僕の部屋に大きな布がかかっている何かがあった。

見ていいのかわからなくて、とりあえずそのままにしていた。

夕食を食べていると、

「あ、そうそう。智くんが“後で来ます”って言ってたわよ」

母さんがそう話す。

「智くんが?僕の部屋に何か置いてあるんだけど、アレって智くんが持ってきたの?」

「そうよ。翔に見せたいって言ってたわ」

「そっか。ありがとう」


部屋に戻ると、ベッドに腰かけてワクワクした気持ちで布がかかっているものを見つめた。

「早く来ないかなぁ」

だけど智くんはなかなか現れず、時間が過ぎていく。

僕は段々と眠くなってきてしまった。

閉じてしまいそうな瞼を開いてみたりしながら何とかこらえていたけど…

いつの間にか眠ってしまったんだ。




一面がシロツメクサでいっぱいの中に、智くんが作ってくれた花冠をかぶる4歳の僕。

お姫様になった気分になってクルクル回っていると、バランスを崩して倒れそうになった。

そこへ6歳の智くんが現れ、僕の手を引いてくれた。

勢いがついたまま、僕は智くんの胸に飛び込んだ。

「ありあと、しゃとしくん」

「どういたまして」

しっかり抱きしめてくれてるのに、ふにゃんと笑うその人にドキドキが止まらなかった。




ん…

「あ、れ…?」

「んふふ。起きた?」

「う、ん…。さとしくん、いつ来たの…?」

「さっきだよ。遅くなってごめんな」

「うん、大丈夫」

「幸せそうな顔してよく眠ってたよ。いい夢でも見てた?」

智くんにそう言われて…

さっきのは夢で間違いないんだけど、実際にあったような記憶があることを思い出していた。




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