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キミとボク【気象系BL】

第70章 クリームソーダ



翔くんと一緒に店に入り、あの席に座った。

「へぇ…翔くんからはこう見えてたのかぁ」

「うん。ここだとフロア全体がよく見えるから」

「俺のことも?」

「もうっ…やめてよ、恥ずかしいなぁ…」

照れてる翔くんは可愛い。

「今日は2人で来てくれたんだね」

マスターがおしぼりとお水を持ってきてくれた。

「智くんがここに来ようって言ってくれたんです」

「へぇ…」

マスターがニヤッとして俺を見た。

翔くんは何だかわからなかったみたいだけど…俺にはマスターが言いたいことが何となくわかったんだ。



注文したのはクリームソーダ。

「いただきます」

「いただきます」

翔くんは俺をジーッと見ながら、チュウッと飲んだりバニラアイスを口にする。

「翔くん、よそ見してるとこぼすよ」

「こぼさないよ、ちゃんとグラス押さえてるし」

「でもさ、口の回りにアイスついてるよ」

「うそっ、ホントに?」

口元を拭おうとする翔くんの手…

俺はその手を握ったんだ。

「さ、智くん?」

「翔くん」

「な、なに…?」

「好きだよ」

「…えっ?」

首を傾げた翔くんの耳元でもう一度

「好き」

そう囁き、内緒話をするようにして顔を近づける。

そして周りから見えないようにしながら、バニラアイスでテカテカしている翔くんのぷっくりした唇にちゅっ。と触れるだけのキスをした。

「智くん…」

翔くんはキョトンとしている。

「そんな可愛い顔してさ…もう1回してほしいの?」

小声で言うと、

「ち、ちがっ…俺も好きだよってまだ返事してないのに…」

「…ん?」

「ん…?」

「今、返事くれた…」

「…あっ」

「ねっ」

「うん」

はにかむ翔くんが愛しい。

俺の唇は甘く、心はドキドキと弾んでいた。






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