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キミとボク【気象系BL】

第70章 クリームソーダ


(Oサイド)

俺は急いでおしぼりとタオルを手にし、お客さまの元に戻った。

「これ、使ってください」

「ありがとうございます」

おしぼりを渡し、手を拭いてもらう。

その間に俺は屈んで、お客さまのズボンの太腿に付いてしまったバニラアイスを拭き取り始めた。

特に内股に近い部分がベットリと濡れてしまっていて…兎に角必死だった。

「自分でできますから」

「いえ、大丈夫ですから。」

「でも…あっん…」

えっ…

その声を聞いて我に返った。

「あっ…ごめんなさい」

自分の手元を見ると、タオルを持つ俺の手の小指側が、股間に触れてしまっていたんだ。

いつから触れてたのかわからないけど…たしかにムニュムニュと何か当たっていた気はしていた。

「あの…本当に自分でできますから…」

見上げると、その人の顔は真っ赤になっていて。

「じゃあ…お願いします」

俺はタオルを渡して立ち上がった。

するとマスターがクリームソーダをトレーに乗せて、手招きしているのが見えた。

「今クリームソーダをお持ちします」

「はい…」

右手に感触は何となく残っている…

何だか恥ずかしくって、その時はお互いに顔を合わせられなかった。



「お待たせいたしました」

今度は慎重にグラスをテーブルに置いた。

「こちらこそ…ありがとうございます」

「いえ…」

ストローでチュウッと1口くらい飲んだ後、バニラアイスを口にするその人。

「わぁ、めっちゃ濃厚…美味しい。このクリームソーダ、すごく好きです」

美味しいとか好きとか言ってもらえて嬉しいし、ずっと見ていたい…でもそういうわけにもいかない。

「ありがとうございます、どうぞごゆっくり」

俺はそう言ってテーブルを離れた。





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