• テキストサイズ

キミとボク【気象系BL】

第64章 秋がくると。



俺は、できればしょーくんと二人きりが良かった。

だってね、「ドングリ見ぃつけた!」ってキラキラおめめのしょーくんのことを、誰にも見せたくないって思ったから。

しょーくんが他の子も一緒にって言うなら仕方がない、残念だなって。

そしたら、

「沢山集めたからもう拾わなくても大丈夫だよ。だけど僕たち、翔くんに見せたいのがあるんだ。」

3人はそう言ったんだ。




袋一杯のものとは別に、手の中にも何やら持っている。

それを見せてもらうと、丸めの形のドングリ2つと、小さめの紅葉が2枚あった。

「これさ、翔くんの可愛い瞳と手に見えるでしょ。」

あぁ、たしかにって思った。

「僕の手、こんなに小さい?」

しょーくんは紅葉を手に取り、自分の手の大きさと比べ始めた。

「わぁ、すごいね。僕の手の大きさとほぼ変わらないよ。」

嬉しそうにニッコリするしょーくん。

3人に視線を向けると、優しい眼差しでしょーくんを見ていて。

俺と3人は顔を見合わて、クスッと肩を竦めたんだ。




その時、心地いい秋めいた風が吹いたんだけど…

男の子を好きになってしまった自分の気持ちに

言い知れぬ想いを感じた瞬間でもあったんだ。






/ 1027ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp