第63章 キミって…
王子様がお姫様にすること…?
俺は再びイメージを膨らませた。
目の前には、王子様を上目遣いで見ている可愛いお姫様がいる。
これはもう…
王子様はお姫様に顔を近づけて、その可愛らしい唇にそっとキスをした。
一瞬ビクッとしたお姫様だけど、王子様からのキスを受け入れてくれたようだ。
んっ…はぁ…なんてやわらかいんだろう。
そう思っていると、お姫様の手が王子様の背中に回ってきた。
王子様の胸はキュンと高鳴る。
お姫様の唇を何度も甘噛みして…
そのままスタンディングオベーションで、幕が閉じられて…
あれ?拍手が聞こえない。
重なっていた唇を話すと、目の前にはお姫様…ではなく、頬を赤らめてキョトンとしている大野くんがいた。
あっ…
オレ、オオノクンニ、キス、シテシマッタ…。
拍手どころか暫く沈黙の時間が流れる。
「えっと…。これ、フィニッシュなのかな…。」
「はい。そう思っていただけると…。」
顔も身体も熱くなっていく。
「んふっ。櫻井くんってさ、本当に面白いよね。」
「そ、そうかな。でも…ごめんね。キス…。」
「…うん。かなりびっくりしたけど、カッコいい王子様に俺もその気になっちゃったし…。」
「えっ…あの…。」
「それに結構いい身体してるよね。ヒョイとお姫様抱っこされた時なんて、ときめいちゃったし…。」
俺を更に引き寄せるから、大野くんとの密着度が増した。
「俺的には、さぁこれからって感じになっちゃったけど…。」
あっ、太腿にあたってるコレは…。
「このままじゃきついよね。でもここ、おじいさんの…。」
「大丈夫。トイレもあるし、狭いけど2階には俺の部屋があるから。」
俯く大野くんに視線を向けると、膨らんだ下半身とあのきれいな手。
それを見た俺の身体も疼き、スイッチが入ってしまった。
「俺が抜いてあげようか。」
「えっ。いいよ、いいよ。自分でできるし。」
慌てて離れようとする大野くんを、今度は俺が抱きしめた。
「俺がね、してあげたいの。」
「うん…わかった…。」
腕の中にすっぽりおさまる大野くんを愛しく感じた。