第61章 夏の終わりに。
「どうした?」
「あ、いや…えっと…。」
「しょーくん、今日は一段とイケメン…。」
智くんが俺の前髪をかきあげた。
「そんなこと…。」
「浴衣も…本当に似合ってる。自分で着たの?」
「はい。外に出てもおかしくないよって、母さんが言ってくれて。」
「じゃあさ…。着崩れても自分で…。」
「直せます…んんっ。」
智くんに唇を塞がれた。
「ちょっ…んっ…。」
「んっはぁ…。」
智くんの熱い舌が、俺の舌に絡む。
「しょ…んっ…。」
「はぁ…さ、と…。」
智くんの身体全体が、俺に覆い被さった。
「ちょっとだけ…いい…?」
不安そうに瞳を揺らしているけど、声色は弾んでいる。
ダメ、なんて言わないよ…俺だって同じだから。
俺はコクッと頷いた。
智くんの顔が首筋にあてられると、ゾクッと鳥肌がたった。
「あっ…んっ…。」
「やべぇ…その声、超好き。」
スルスルッと智くんの手が胸元に入ってくる。
「やっ…ん…。」
「もうちょっとだけ…。」
バサッ…
智くんが俺の浴衣の胸元をはだけさせた。
「しょーくん…顔も綺麗だけど肌も綺麗…。」
胸元に顔を埋めたかと思うと、キスを落としていく智くん。
「んっ…。」
ズクン…と身体が疼いた。