第58章 麗しきかな
俺は飲み物を口にしながら、先生のことを見ていた。
ハンカチをポケットから取り出して、額、こめかみ、頬、首筋の汗を拭いていく先生。
たったそれだけのことなのに、先生がすると色っぽかった。
ズクン…
ムクムク…
あっ…おい、マジかよ…
俺の中心までもが、反応し始めた。
こういう時に、太めのズボンを履いてきた自分を誉めてやりたい。
「さてと…そろそろ行こうか。」
「は、はい。」
俺は前を隠すように懐中電灯とペットボトルを持った。
3年生の教室は、昼間は課題に取り組めるようにと開放されている。
最後に帰る人が戸締まりをすることになってはいるけど…
「あ。あの窓、開けっぱなしだ。」
教室の窓が開いているクラスがあった。
鍵を開けて、教室の中に入っていく櫻井先生。
俺もその後について行った。
先生が窓の近くの机に、懐中電灯を置いた。
俺の中心はまだ膨らんでるけど、暗いから気づかれないだろう。
先生と同じように、俺も懐中電灯とペットボトルを机に置いた。
窓に手をかけた先生。
「あっ、いい風…。」
先生がゆっくり目を閉じる。
先生の髪が風になびく。
その光景が綺麗すぎて…
幻想の世界にいるように感じて…
俺は自然と吸い込まれるように、櫻井先生を後ろからそっと抱きしめた。