第57章 好奇心の行方
上下する智くんの胸。
最近は一緒にお風呂に入ってないから気づかなかったけど…胸に筋肉がついていて、その盛り上がりにドキリとした。
一度顔を離して、智くんの胸に手を這わせてみる。
まだまだ子供体型の僕とは違い、大人に近づいていってる皮膚の張りと骨格が危うさを感じさせた。
そして昼間の光景が頭をよぎる。
誰もが智くんに惹かれ、僕から奪い取ろうとするんじゃないかっていう不安。
「智くん…智くん…。」
僕は智くんの名前を呼びながら、智くんの胸に顔をスリスリした。
「好き。好き。智くんが好き。」
「翔…くん…。」
頬に触れる、智くんの小さな突起。
ソレは意外と存在感があって、僕は引き寄せられるように口に含み、唇でチュウッと吸ってみた。
「あっ…ん…しょ、く…。」
智くんの手が、僕の髪をクシャクシャと掻き乱している。
僕にはそれが、もっとしてほしいとねだっているように感じられた。
片方の突起を吸いながら、もう片方は指で摘まんだり突起の先を指の腹で撫でていく。
「しょ、あぁっ…んっ…。」
「いっぱい呼んで。僕の名前…いっぱい呼んで。智くん、お願い…。」
「しょ…う、翔くん、翔くん…。」
智くんは、僕の名前をいっぱいいっぱい呼んでくれた。
僕はいずれ、智くんを困らせる存在になってしまうだろう。
「さとし…キス…しよ。」
「しょう…。」
僕は身を乗り出して、初めて自分から智くんの唇にキスをした。
「はぁ、はぁ…しょ、う…。」
「んっ、はぁ…さとし…。」
これが最後の意味を込めて、熱くて深いキスを智くんにしたんだ。