第57章 好奇心の行方
学校にいる間も、智くんのことが頭から離れなかった。
4年生と5年生は教室の階が違うから、智くんと顔を会わせる機会はあまりない。
昼休みに教室の窓から何気なくグラウンドを見ると、智くんが友達と鉄棒をしている姿が見えた。
足掛け前回りで何回転もしている智くん。
「凄いな。」
僕は智くんしか見ていなかったけど、ふと見渡すと鉄棒の回りにはいつの間にか人が集まっていた。
間近であんなの見たら、それは仕方がないのかもしれない。
でも、智くんにハイタッチを求める男子たちや、キャーキャー言いながら色目で智くんを見る女子たち。
それがすごく…すごく…嫌だった。
「翔くん。なんか…イライラしてる?」
夜、歯磨きを終えて部屋に戻ると智くんにそう言われた。
昼間のこと、智くんに話したところでどうにかなるものでもない。
だけど、智くんの頭の中にも常に僕の存在があってほしくて。
昼休みに感じたことを智くんに話した。
じっと聞いてくれていた智くん。
「そっか…気にしなくていいのに…。」
唇にちゅっ。とキスしてくれた。
2人で智くんのベッドに入る。
僕は智くんの上に覆い被さった。
智くんのパジャマのボタンを1つずつ外していく。
半分まで外して、ふぅ…と息を1つ吐いて、ボタンを外す手を更に進めていった。
最後のボタンを外すと、ハラッとパジャマがはだけた。
露になった智くんの胸。
少し頬を赤くしている智くん。
僕は首筋より先にその胸に顔を埋めたんだ。