第56章 ボクたちのカタチ

(Oサイド)

「翔…好き｡」

俺がそう言うと、翔は目を見開いて俺を見ている。

「俺はきっと、翔が思っているよりも翔のことが好きだよ。」

だめ押しで更に伝えた。



翔は瞼を閉じて、そしてゆっくり開けた。

「智くん…｡」

声が震えてるから…俺まで緊張してくる。

「さっきの…智くんからの“好き”の返事…｡」

おっきな目を潤ませて、俺を見る翔。

少し震えながら伸びてきた手が、俺の頬を包んだ。

こんなに緊張させてごめんな、翔。

「もぅ…。何で智くんが泣きそうになってるの…｡」

翔は優しく微笑みながら、俺の頬を指で撫でた。

白い肌に大きな目、ぷっくりした赤い唇。

本当に綺麗だな…翔は。

「今度は俺が智くんを泣かせちゃったね。おあいこだ。」

ふふって笑った翔の顔が、息がかかりそうな距離に近づいてきた。

触れそうで触れない唇。

そのもどかしさも翔らしくて、俺は大好きだ。



翔の唇と俺の唇が、ちょん。と触れた後にちゅっ。と重なった。

こんなにも可愛らしいキスをされて、俺の胸はときめいてしまった。

唇を離した後、翔は照れてるのか、俺の肩に頭を凭れている。


うーん、この先に進むのは…もう少し先、かな。