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キミとボク【気象系BL】

第56章 ボクたちのカタチ


(Oサイド)

目が覚めたら、隣で寝ていた翔の姿は既にベッドにはなかった。

時間をどう使うかは個人の自由だし、俺は別に気にしていない。

何となくリビングの方に行ってみると、食べ物の匂いがした。

「智くん、おはよう。」

翔の声がして

「ん。」

とだけ答えた。

そのままソファーに座り、暫くボーッとしていたら“コトン”とカップを置く音がした。

俺がそっちを見ると、翔と目が合った。

なんだよ、今日も朝から爽やかなイケメンだな。

「飲もう?」

翔が声をかけてきたから、俺はまた

「ん。」

とだけ答えた。



翔の正面の席に俺のカップが置かれていたからそこに座り、コーヒーを啜った。

ふぅ…、落ち着く。

翔はいつも、猫舌の俺が飲みやすい温度で入れてくれるんだ。

ふと気づくと、翔が俺をじっと見ていた。

「お前、見すぎ。」

その言葉で翔は我に返ったようで

「ごめん、つい…。」

って謝っていた。

「いいよ、別に。」

俺、怒ってるわけではないんだけどな…って思う。



不意に翔が

「智くん、今日は…。」

って聞いてきた。

日曜日だから、翔も休みだったっけ…。

俺は前々から、釣り道具や絵の画材を買いに行こうかと思っていた。

でもそれは俺の趣味に関係するものであって、翔には興味がないことだから、付き合わせるわけにもいかない。

「ん~。ちょっと出てくる。」

休みの日は、翔も自分がやりたいことすればいい。

そう思ったんだ。

「そっか…。」

って、声のトーンが落ちていた翔の反応は意外だったけど。




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