第51章 Nさんのお誕生日に…
「あ、翔さんからだ。」
「翔ちゃんにさ、ニノの誕生日会やってるよって教えてあげて。」
「わかってますよ。はい、翔さん?ありがとうございます。今ですか?大野さんとJ…あれ?翔さん?翔さん?」
「どうした?」
「切れちゃいました。」
「翔ちゃん、何か言ってたの?」
「“ニノ、お誕生日おめでとう。”“今、誰かと一緒なの?”って。」
「それで?」
「“大野さんとJと一緒に相葉さん家に”って言おうとしたら、“大野さん”って言ったところで通話が切れました。」
「翔くん…何でだろう。」
「焼きもちだったりして。」
「あり得ますね。」
翔くんが焼きもちを妬くのはよくあることで。
俺たちは、あまり深くは考えていなかったんだ。
「あ~、美味しかったです。ありがとう、J。」
「お褒めの言葉。光栄です。」
「いいとこに連れてきてくれて、ありがとうございます。大野さん。」
「んふ。それは良かった。」
「え~っ、俺にはお礼はないのぉ?」
「それは…後で…って、言わせないでください。」
「可愛いなぁ。好きだよ、カズ。」
「ワタシも…好きですよ、まーくん。」
甘い空気が漂う。
「あ~ぁ。そろそろ帰りますか、リーダー。」
「おう。」
「翔さんさ、既に車で近くまで来てたりして。」
「えっ?翔ちゃんが?何で?」
「相葉さん、翔さんと話したんですよね?」
「うん。ワクワクの後、時間ある?って。」
「その時にさ、相葉さん家でニノの誕生日をってことは?」
「言ってないよ。」
「言ってない?…だからか。」
「ん?」
「何の話ですか?」
「いや…これはリーダーに対応してもらわないと。」
「松潤?」
「リーダー、早く帰らないと。」
「あっ、うん。」
松潤が何となく難しい表情をしてたのが気になった。
「じゃあ、お二人さん。今夜はごゆっくり。」
松潤の言葉にニカッと笑った相葉ちゃんと、顔を真っ赤にしてそっぽを向いたニノ。
ドアが閉まる寸前、二人がキスするのが見えた。
…せめて鍵をかけてからにしろよ、なんて思ったけど。
ニノ、良かったね。
そんな思いにふけっていたら、
「大野さん。翔さん、焼きもちなんかじゃなくて…誤解してますよ、多分。」
松潤が深刻そうな表情でそう言った。