第51章 Nさんのお誕生日に…
…なのにだ。
計画通り、相葉ちゃんと松潤が早々に楽屋を出て行ったんだけど…
ニノが不機嫌だぞ、相葉ちゃん…。
「ふーん。相バカ、帰ったんですか。」
「何か用事でもあったんだよ、きっと。」
「恋人の誕生日なのに?」
「うっ…。」
「このワタシを置いてきぼりにして、Jと二人で帰るなんて。」
あーあ。椅子に体育座りして俯いちゃってるし。
んふふ。相葉ちゃんがこの姿を見たら、可愛い可愛いって言いながら、頭を撫で撫でしてそうだな。
「ニノはさ、誕生日のことで相葉ちゃんから何か話があったの?」
「ありましたよ。相バカん家でお祝いしよって。」
「二人きりでだよね。」
「当たり前じゃないですか。」
「えっとさ、ちなみにニノはなんて返事したの?」
「“相葉さんと二人きりは危険だなぁ~”って思い切りハニカミながら言いましたよ?」
「……ん?」
「何ですか、何か変ですか?」
「いや…その返事だと、嬉しそうだなって思って。」
「当たり前です。あの人はエンドレスだから身体がもちませんけど…。誕生日を恋人と二人きりで祝えるなんて、イヤな人なんていますか?」
「いない…と思う。」
翔くんも、誕生日の時にすごく喜んでくれてたし。
それに…さりげなくすごいこと聞いちゃったな。
エンドレスなんて。
相葉ちゃん…まぁ、そんなイメージはあるけど。
「あの相バカ、何を考えてるんだか。“ニノ行くぞ”も無しだし。」
ニノが伸びをしながら立ち上がった。
「ニノさ、帰る支度できてる?」
「できてますよ。」
「じゃあさ。」
“ガチャッ。”
「何ですか?」
「ニノ、いいとこ行こ。」
「えっ?大野さん…?」
“パタン…。”
相葉ちゃん、これからニノを連れていくからね。
俺は楽屋のドアが一瞬開いて直ぐにまた閉まったことに気づかずに…ニノの背中を押しながら楽屋をあとにしたんだ。
そして…
「智くん…?智くんとニノが…どうして…?」
大事な人がそこにいたことも。