第49章 いつもの日常の中で
「はぁ…はぁ…はぁ…。」
「んっふぅ…んっはぁ…。」
何度も角度を変えて舌を絡めて。
俺の下顎と後頭部に当てられていた智くんの手が、俺の髪をくしゃくしゃっとしていて。
顔も唇も身体も熱くて。
智くんとのキスは蕩けちゃうんじゃないかってくらい気持ちが良くて。
「んっ…しょ、くん…。」
唇に触れながら智くんが俺の名前を呼ぶ。
「しょう…はぁ…しょ、う…。」
そして智くんは、キスをしながら俺をベッドに押し倒した。
俺は咄嗟に、智くんの肘を掴んだ。
「はぁ…さと、く…んっ…。」
膝枕の時とは比にならない密着感に鼓動が止まらない。
「しょう…んっ、しょう…はぁ…。」
普段は柔らかい表情で、どちらかといえば可愛らしい雰囲気の智くんが、色気いっぱいの男の表情を見せている。
初めて見る智くんの表情と喉から鎖骨までの男らしい綺麗なラインにドキドキして…身体がドクンと疼きはじめた。
あっ…。
「さと…んっ…。」
俺は智くんの唇を貪りながら、肘を掴んでいる手の力を強めた。
「しょ、くん…どうし、た…?」
智くんが唇を離して俺を見た。
どうしたらいい…?
恥ずかしいんだよ…
まさか…勃つ、なんて…
自分でも思わなかったんだから…。