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キミとボク【気象系BL】

第49章 いつもの日常の中で



「洗い物は俺がやるからさ、智くんはソファーにでも座って休んでて。」

俺はテーブルにあったお皿などをシンクに運び、食器洗いに集中することにした。

だけど元々少ない数の食器だったから、あっという間に洗い終わってしまった。

キッチンからソファーを見たけど、智くんの姿が見えない。

あれ…?

すると

「しょーくん…。」

すぐ横で智くんの声がした。

「智くん、いつの間にいたの?」

ビックリしながら智くんを見ると、潤みがちな目が更に潤みを増し、頬がほんのり紅潮していた。

「しょーくん。」

「…ん?。」

「さっき、しょーくんが言ったこと…覚えてる?」

胸の鼓動が高鳴る。

「うん。覚えてるよ。」

「本気で言ってくれたの?」

智くん…不安なんだな、きっと。

「俺、本気で言ったよ。冗談では言わないよ。」

「じゃあさ…。」

「…ん?」

「しょーくんの部屋に…行こ。」

智くんが俺の手を握る。

「うん…行こうか。」

お互いの指をしっかり絡めた。


部屋に行く途中、智くんは何度も俺のほうを見てはニコッとしていた。

それが何とも俺には照れくさかった。



部屋のドアは、智くんが開けた。

俺たちはベッドに腰掛け、絡めていた手を解いた。

「しょーくん。」

智くんの腕がふわっと伸びてきて、俺をギュウッと抱きしめた。

強く、それでいて優しく。

俺も智くんの腰に手を回した。

「しょーくん、大好き。」

今まで何度も聞いてきたその言葉。

キュン…とした。

こんなにも嬉しくて素敵な言葉だったんだなって…。

さっきは背中越しからだったけど…智くんの顔を見て俺も言いたいって強く思った。





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