第49章 いつもの日常の中で
智くんとは家が近所で小学校が一緒だった。
おっとりしてるのに運動神経は抜群。
勉強はちょっと苦手だけど、字はきれい。
絵は上手で独特のセンスがあった。
俺の絵も、ある意味独特らしいけど。
水分量の多い垂れ気味の目、ハの字眉、鼻筋がスーッと通った鼻、厚くはないけどプルっとした唇、ぷっくりした頬。
智くんは、あの頃から可愛らしい顔をしていた。
中学校は学区が違うから、別々の学校だった。
入学式に向かう途中ばったり会い、智くんはその事実を初めて知ったみたいで…
“何で制服が違うの?”
“しょーくんと同じ学校がいい。”
そう言って大泣きしてたよな…。
高校はどうしても俺と同じところに行きたいからって受験勉強を頑張ってたよね。
合格した時、誰よりも本人が一番ビックリしてた。
受かったはいいけど、これからが大変だぁ…って。
そんなところは智くんらしいなって思う。
本人は自覚してないみたいだけど、なんだろうな…自然と人を惹き付けるんだよな。
それに元々顔は整っていたけど、更に洗練されて綺麗さが加わった。
男女問わず人気があってモテるのも頷ける。
そんな智くんが、毎日のように
“しょーくん大好き”
そう言ってくる。
俺もさ、友達としてはもちろん好きだけど…。
俺を悩ます智くんは、口を半開きにして寝てるし…
えっ?半開き…あぁっ…
ヨダレ…垂らしてるじゃん…。