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キミとボク【気象系BL】

第49章 いつもの日常の中で



ジメジメとする空気。

サンサンと太陽が出ていなくても、意外と陽射しが強くて、皮膚がジリジリする。

「暑っ。」

できるだけ涼しげな所を探す。

ちょうど日陰になっている所を見つけて腰を下ろした。



胡座をかき、両手を後ろにつく。

ふぅ…。

ホッとひと息つける昼休み。

俺のお気に入りの場所。

その屋上に…というか、俺のところに毎日やって来る人がいる。

「しょーくん見ぃつけた。」

別に隠れてないし。

その人…智くんは俺を見つけると、嬉しそうに寄ってくる。

そして当たり前のようにコロンと寝転がり、太腿に頭を乗せるんだ。



「重いんだけど。」

「そう?俺、しょーくんより軽いよ?」

「暑いんだけど。」

「そう?ここ、日陰だよ?」

「頭の汗でズボンが濡れたらどうするんだよ。」

「ジャージのズボン貸してあげる。あっ、でもしょーくんには小さいか。パツパツ…。」

「はぁっ?」

「んふふ。」

俺はこの可愛らしい笑い方に弱い。

「15分したら起こすよ。」

「うん、ありがと。しょーくん大好き。」

「はいはい、おやすみ。」

「大好きってさ、本気なのになぁ…。」

そう呟いた智くんだけど、あっという間に寝息が聞こえてきた。



冬ならまだしも、これからの時季は暑いんだよな。

そう思いつつ、智くんをいわゆる膝枕してしまう俺。

ふわふわした髪にぷっくりした頬。

表情はふにゃふにゃしてるのに身のこなしが軽くて。

寝顔を見ていると、ネコみたいだな…って思う。

なんだかんだいっても、癒されてるんだ。

智くんの額にはジワッとした汗。

「しょうがないなぁ。」

俺は智くんの前髪をかきあげ、ハンカチで汗を拭ってあげた。




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