第48章 そのままでいい
「おかしくないかな…。」
自信なさげな翔くん。
似合ってるってことを、ちゃんと伝えてあげたい。
「鏡で見てみようか。」
俺が翔くんの手を取ると、翔くんはキュッと握ってきた。
強く握ったり弱く握ったりしていて…落ち着かないんだろうな。
翔くんの手からドキドキが伝わってくるのを感じながら、姿見のある部屋に向かった。
翔くんは恥ずかしそうに、鏡のほうを向いた。
「ほらね、翔くんの白い肌にさ、ピンクのクローバーが良く似合ってる。」
俺がそう言うと、翔くんは自分の胸元に手を当てた。
「そう…なのかな。嬉しいな。智くんも、小麦色の肌にブルーのクローバーが似合ってる。素敵。」
「んふふ。素敵なんて、照れるじゃん。」
「うん。でも本当に素敵だから…。ありがとう、智くん。」
翔くんが、ちゅっ。と俺の唇に可愛らしいキスをした。
自分から不意討ちでキスしてきたのに、翔くんは頬を赤らめている。
俺にとっては、そんな翔くんが何よりも一番可愛いくてたまらないんだ。
「そんなことされたらさ、我慢できないよ、俺。」
「うん…いい、よ。ペンダントと智くんの気遣いが、本当に嬉しかったから…。」
翔くんが俺の胸元に顔を埋めた。
「翔くん。」
俺は翔くんの頬に手を添えて上を向かせた。
俺たちは見つめあい、ゆっくりと顔を近づけて唇を重ねた。
「んっ…はぁ、はぁ…。」
「んっふ…んっ。」
俺たちは貪るように口づけを交わしあったまま、ベッドに倒れ込んだ。