第47章 戸惑うこともあるけれど
微熱は朝方まであったから、学校は欠席した。
夕方、智くんから“プリントを届けに行くよ”とメールがきた。
「あれ?翔1人なの?」
「うん。母さん夜勤だから。」
「親父さんは単身赴任中だっけ。翔、1人で大丈夫なの?」
「もう慣れっこだよ。」
大丈夫っていう言葉の代わりにそう言うと、智くんがふわっと微笑んだ。
そして優しく俺を抱きしめてくれた。
智くんの温もりに安心する。
「今夜、一緒にいてあげようか。」
「だ、だ、大丈夫だから。」
「翔とあれこれできると思ったんだけどな。」
「俺、病み上がりっ。」
もうっ。胸がドキドキしてきたじゃん…。
智くんがカバンからプリントを取り出し、俺はそれを受け取った。
さっきから口を尖らせてるのが可愛くて、その口にちゅっ。とキスをした。
そしたら、智くんに両肩を掴まれた。
「翔のパジャマ姿を見てさ。俺、かなり興奮してるんだけど。」
「えっ…?」
ほら、って言われて智くんの中心に視線を向けると、膨らんだソレがズボンを押し上げていた。
「翔の胸元からさ、鎖骨と…チラホラ胸も見えてるんだよね…。」
智くんが俺の前髪を優しくかき上げる。
「挿れなくていいからさ、上だけ…脱がしたいんだけど…いい?」
珍しく俺に確認をとってくれる智くん。
「うん…いいよ…。」
初めてシタ時も…たしかこんな感じだったな。
1つ1つ確認してて、かえって恥ずかしくなっちゃって。
智くんが俺のおでこにちゅっ。とし、パジャマのボタンを1つずつ外していく。
ふぅ…はぁ…
もう何度も智くんにボタンを外される経験はしてるのに、毎回緊張してしまうんだ。
「こうしてる時ってさ、翔はいつも緊張してるよね。」
「えっ、わかるの…?」
「うん。息づかいとか…力の入り具合とか…少し鳥肌もたってたりとか…。表情もなんだろうけどね。だけど一番は多分…。」
「ん?」
「俺のドキドキが自然と伝わっちゃうからかなって。」
「智くん…。」
ふにゃりと笑った智くんが、露になった俺の鎖骨に口づけた。
「あっん…。」
俺の身体も疼いてきちゃったよ…智くん。